M「Yさん、おはよう。お約束のお時間ですわよ。」
Y「おはようございます。ただ今お茶を立てております。もうすぐ参りますので、枯山水のお庭の縁側でお待ちくださいませ。」
M「そうでしたか。ではそういたしましょう。」
M「新緑の季節の朝の清々しいこと。」
Y「おはようございます。私の方から急にお誘いしましたのに、お待たせしてしまいましたね。」
M「静かに一人で贅沢な時間を堪能しておりましたの。お気になさらないで。」
Y「いつもお優しくて、大好きです。ありがとうございます。急でしたので、ふさわしいお菓子がございませんでした。そこで、大変申し訳ございませんが、黒豆をお召し上がりください。」
M「まあ、ありがとう。黒豆なんて久しぶりだわ。。。。あら、私の黒豆、あなたのよりだいぶ少ない気が致しますわ。」
Y「そうでしたか?気のせいではございませんか?そちらからご覧になると豆の器が同じに見えるように致しましたが。。。」
M「そうね。。。ってちょっと!同じに見えるようにって、同じじゃないってあなた自分で言っちゃってるんじゃない?」
Y「お気づきになるのがお早いですね。錯視でございます。朝からこんな悪戯をして失礼いたしました。」
M「錯視って、いくら角度を考えたからって、楊枝とスプーンじゃ見間違えようがございませんわ。」
Y『ははは。どうぞ。たくさん黒豆が入っている方をお召し上がりください。」
M「あなたはこんな少ない黒豆でよろしいの?」
Y「私は冷蔵庫の中にしこたま黒豆を溜め込んでおります。食べようと思えばいつでも丼いっぱい食べられるようになっております。ですので、どうかお気になさらないでお召し上がりください。」
M「ふふふ。そんなに黒豆を溜め込んで、よほど黒豆がお好きなのね。」
Y「はい。大好きです。二番目に好きです。」
M「では一番好きなのは何ですの?」
Y「秘密です。」
(英訳難しそうだから、追々やります)